月刊誌リジョイス 聖書日課 2010年10月17日(日)

詩編74編 見捨てられてもなお

あなたの鳩の魂を獣に渡さないでください。
あなたの貧しい人々の命を
永遠に忘れ去らないでください。
契約を顧みてください。(詩編74:19-20)

 「永遠」とは、時の終わりが意識から去ったときに感じ取られるものと、わたしは思っています。人生の充実の絶頂で人は「永遠」を歌にします。その逆もまた然り。失望のどん底で、時の終わりを知らされていない人間は、この苦しみはどこまで続くのかと「永遠」の重みに沈みます。

 旧約の民は、偶像礼拝の罪を犯した末に、すべてを失うこととなりました。神殿が徹底的に破壊されました。それによって奪われたのは日常生活の基盤と、それを支えていた信仰を養うための恵みの手段の数々でした。民にはこの苦しみが永遠に続くように思われました。

 神との絆を断ったのは、民の方です。ですから、自分から契約を捨てたのに、私たちを捨てないでくださいとは、もはや祈れる筋合いはありません。しかし、聖書の民は、神の怒りを招き、見捨てられてもなお、神に寄りすがって祈ります。このぎりぎりの祈りが、最後の頼みの綱ともなる、信仰による絆となります。「永遠に忘れ去らないでください」とは、私たちのための主の執り成しの祈りでもあります。

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