月刊誌リジョイス 聖書日課 2010年11月14日(日)

詩編78編 罪をも隠さず、救いの歴史を物語る

子孫に隠さず、後の世代に語り継ごう
主への賛美、主の御力を
主が成し遂げられた驚くべき御業を。…
子らが神に信頼をおき
神の御業を決して忘れず
その戒めを守るために(詩編78:4,7)

 昔、イスラエルの民には、今日の教会が持っているようなカテキズムはありませんでした。信仰は、教理を通してではなく、神の救いを経験した民の物語を語り継ぐことによって教えられました。歴史を歌う詩編は、神の民の信仰告白そのもので、若い世代に信仰教育を施す働きをも担っています。

 出エジプトの出来事が、救いの御業の中心にあります。40年間さまよった荒野では、パンと肉が供給され、飲み水も確保されました。しかし、詩編は、恵みの業と同時に、恵みに応えられず、愛を裏切って怒りを引き起こした先祖の痛ましい事実をも記しています。神の子らが忘れてはならないのは、救いの御業ばかりではありません。

 都合の悪いことは思い出したくないものです。けれども、子どもたちの未来を思って、聖書の民は自らの躓きを隠さず、それを歴史として語り継ぎました。親は子に自分の罪をも告白して、神の憐れみを伝え、信仰継承をはかりました。ここに、神の民を生かした信仰による知恵があります。

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