月刊誌リジョイス 聖書日課 2015年2月1日(日)

詩編88編 神と人に見捨てられた者の祈り

主よ、わたしを救ってくださる神よ
昼は、助けを求めて叫び
夜も、御前におります。(詩編88:2)

 詩編88編は、詩編の中で最も悲しい詩編の一つです。

 詩人は、昼も夜も、主なる神に助けを求めて祈っています。詩人は自分の今を、「わたしに親しいのは暗闇だけです」と告白しています(19節)。苦悩の中からの祈りが聞かれたという感謝は、ここにはありません。

 詩人の魂は、苦難を味わい尽くし、今、重病と深い孤独の中で死を待ちます。死に対する際立った恐れと苦悩が、詩編の全体を覆っています。この点で88編は特異な詩編であると言えるでしょう。

 詩人は、神にも人にも棄てられ、全くの絶望の淵で、それでも主なる神に助けを求めて祈っています。詩人は、死という喜びと希望がない深い穴から、ただ主のみに助けを求めて祈っています。

 この詩編の祈りは、何を表しているのでしょうか。それは、人が絶望と孤独の淵の中にあっても、祈ることができるという驚きです。教会の歩みにも、届かない祈りへの嘆きの満ちるときがあります。そのような中でも、信仰の先輩たちは、この詩編から、神と人に棄てられ、受難の道を歩まれたキリストの心と祈りを学びました。

コントローラ


自動再生されない方はこちらから再生(mp3形式)
Copyright (C) 2015 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.