月刊誌リジョイス 聖書日課 2016年4月6日(水)

ヨブ14章 せめぎ合う神への思い

どうか、わたしを陰府に隠してください。
あなたの怒りがやむときまで
わたしを覆い隠してください。
しかし、時を定めてください
わたしを思い起こす時を。(ヨブ14:13)

 ヨブは、その心を死の彼方へと向かわせながら、自身の内にある神への二つの思いをせめぎ合わせています。

 ヨブは一方で見つめています。神は、理不尽にも思える激しい怒りを燃やされ、災いをくだされるお方であることを。神への恐れ、畏怖の念。それがヨブの信仰の根底にあります。しかし、他方でヨブは捨てきれません。神は愛のお方であるということを。神は怒りを燃やされながら、その最中にも自身で造られた人間を守り、やがて怒りを静めてくださる方であることを。どちらが本当の神であられるのか。怒りを暴発される神か。それとも、自分という小さな存在をも忘れられない、優しく愛深き神か。ヨブは、死の彼方の世界を隠れ家のようにして、神の本当の姿を見極めたいと願います。

 私たちにも、依然として、神の御業が不可解に見えることがあります。しかし、主の十字架を見つめる私たちは知っています。神の怒り、裁き、そのすべての御業の基に、人間への果てしなく大きな愛があることを。私たちは、その愛を、地上においても、死の彼方においても全身で浴び、生かされていきます。

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