月刊誌リジョイス 聖書日課 2018年12月 6日(木)

詩編30編 あなたは癒してくださった

わたしの神、主よ、叫び求めるわたしを
あなたは癒してくださいました。
主よ、あなたはわたしの魂を陰府から引き上げ
墓穴に下ることを免れさせ
わたしに命を得させてくださいました。(詩編30:3-4)

 「叫び求める」と訳された言葉は、ホロコーストを描いたランズマンの映画『ショア』という題名と同じ語幹の言葉です。「大いなる叫び」「大破局」という意味で、あのユダヤ人大迫害の凄まじさを想って読むならば、この言葉の重みを実感できるのではないかと思います。絶望的な現実の中で、神に助けを求める大いなる叫びのことです。

 私たちは神に助けを求めるとき、知らず知らずのうちに、自分は正しくて、周りの状況が悪いのですから変えてください、と祈っているのではないでしょうか。神はこういうとき、周りの状況をすぐに変えてくださることはありません。

 神はむしろこの状況の中で、私たちの魂の状態を正しいあり方へと導いてくださるのです。「あなたはわたしの魂を陰府から引き上げ、墓穴に下ることを免れさせ…てくださいました」。このことを「わたしを癒してくださった」と言っています。聖書では「いやす」という言葉は「赦す」「救う」という意味です。つらい状況にあるとき、それに押しつぶされないように、私たちの魂が癒されることを祈り求めたいと思います。

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