月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年3月28日(日)

ルカ23章32-38節 十字架上の第一のことば-赦し-

  

[そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」](ルカ23:34)

 十字架に架かられた主イエスの最終的な死因は、窒息死であると考えられています。死に至るまでの経過は、およそ次のようでした。

 主が十字架に吊るされたその時、まず両肩が脱臼し、体がずれ下がります。しかし、この沈み込んだ体勢のままでは息を吸い込むことができません。そこで、釘を打ち込まれた両手両足に力を込め、血を滴り落して、体を持ち上げなくてはなりません。

 さて、次に息を吐くためには、力を抜かなくてはなりません。体は再び沈みこみます。こうして、体を持ち上げるための体力が尽きるまで、鞭打たれた背中を十字架にこすりつけながら、主は死なれたのです。

 この想像を絶する痛みのただ中で、主が真っ先に口にされたのは、ご自分のために助けを求める叫び声ではなかったのです。何と、私たちのための執り成しの祈りの言葉であったのです。主はご自分の命を差し出して祈ってくださいました。「父よ。彼らを赦したまえ」と。

 十字架に架かられたこの時も、主イエスの心に満ちていたのは、私たちへの愛であったのです。

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