月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年3月30日(火)

ヨハネ19章26-27節 十字架上の第三のことば-愛情-

  

イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。(ヨハネ19:26-27)

 主イエスには弟・妹たちがいました(マコ6章3節)。それ故、ご自分が世を去った後の母の世話は、その兄弟たちの役目です。ところが、主は彼らの了解を得ることもなく、弟子のヨハネに母を託し、母マリアも主の言葉に従いました。これでは、兄弟たちの立場がありません。

 思えば、兄弟たちは当初、「イエスを信じていませんでした」(ヨハ7章5節)。そればかりか、大いに悩まされてきたのです。「あの男イエスは気が変になっている」という悪い評判を受けて、身内の人たちがイエスを取り押さえに出掛けたという事件もありました(マコ3章21節)。

 さて、十字架の御苦しみの中で主は、悲しみに打ちひしがれている母の顔を見ます。何と言葉を掛けたらよいでしょうか。今、母に寄り添えるのは、共に心を合わせて祈ることのできる信仰の仲間以外にはいません。気遣いに満ちた主の言葉にマリアもヨハネも胸を熱くしたことでしょう。

 そして、主の慈しみはさらに広がりました。あの主の兄弟たちも、共に祈る信仰の仲間に変えられたからです(使徒1章14節)。

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