月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年7月21日(水)

詩編87編 同じ神の民とされる幸い

  

主は諸国の民を数え、書き記される
この都で生まれた者、と。
歌う者も踊る者も共に言う
「わたしの源はすべてあなたの中にある」と。(詩編87:6-7)

 きょうの詩編に出てくる聖なる山「シオン」を文字通りの意味に理解し、そこに建てられた都エルサレムが世界の中心となるようにと、今なお期待すべきでしょうか。確かにこの詩編が書かれたときには、その期待は大きかったでしょう。

 しかし、新約聖書の光で読み直すときに、違った景色が見えてきます。キリストにあっては、特定の場所は問題ではありません(ヨハ4章21〜24節)。むしろ、あらゆる民族がキリストにあって同じ神の国の民とされること、そのことが重要です。事実、キリストに結ばれた者にとっては、ユダヤ人も異邦人もなくなりました(エフェ2章11節以下)。新約の光で読むときに、この詩編はそれを先取りして描いているように見えます。

 この詩編はこう結ばれます。「わたしの源はすべてあなたの中にある」と。作者が描く神の都は「わたしの源はすべてあなたの中にある」と言われるほどに、理想化された世界です。それは、新しい天と地が完成し、天のエルサレムが降って来るのを待ち望む私たちの期待にも通じています(黙21章)。

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