月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年12月 4日(土)

歴代下34章 神殿の意味を取り戻そうとした王ヨシヤ

  

ヨシヤは8歳で王となり、31年間エルサレムで王位にあった。…
主の神殿に寄せられた献金が取り出されている間に、祭司ヒルキヤがモーセによる主の律法の書を見つけ、書記官シャファンに、「わたしは主の神殿で律法の書を見つけました」と言った。(歴代下34:1,14-15)

 ソロモンの時代に築かれた神殿は時代を経るごとに本来の意味が見失われていったように見えます。その人間の愚かさを端的に表す出来事がヨシヤ王の時代に起こりました。

 「父祖ダビデの道を歩み」と紹介されるヨシヤ王は国中の偶像や祭壇を壊し、ユダとエルサレムを徹底的に清めることに奔走します。神殿の修理にも取り掛かりました。その工事の最中、神殿から「モーセによる主の律法の書」が見つかったというのです。神殿から神の教えが失われていたという、その笑えない喜劇の中に放り込まれたヨシヤは誠実に悲しみ、国が落日のもとにある原因を再確認します。神は激しく怒っておられる。ヨシヤはすぐに民を集め、共に律法に耳を傾けます。そして、誓います。主に従って歩もうと。神殿はそのための場所でした。神に叫び、祈り、その教えに正されることで神に立ち帰る場所でした。

 その後の歴史を知る私たちです。しかし、ヨシヤのなしたことを無益であるとは決して言いたくありません。ヨシヤの焦りを、涙を、その誓いを神はきっと御手に抱いてくださったに違いない。それと似た誠実な尽力が今、私たちの前にも積み重ねられているはずです。

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