あさのことば 2021年10月20日(水)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

野島邦夫(東京教会牧師)

野島邦夫(東京教会牧師)

メッセージ: コロナ禍の中の信仰 4礼典、愛の業



 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の野島邦夫です。
 今のコロナ禍は信仰と教会の大きな危機だと思います。今回のシリーズでは、いま重要な幾つかの信仰の問題を考えます。

 「オンライン礼拝」が礼拝の代用にならない理由の一つは「人間は体を持っている」からです。これはインターネットで解消できません。このような人間が一つの会衆として神の前に集まることが、旧約時代以来の教会の姿です。

 これが見失われますと、教会は崩れかねません。というのもまず聖礼典の場所が教会から失われるからです。例えば聖餐…これは、説教以上に神の恵みをよく伝える儀式ですが、これには、御言葉を聞いて、パンと葡萄酒という物質を見て、触って、嗅いで、味わうという五感が、つまり体が不可欠です。今も多くの教会で聖餐が行えないのは悲しいことです。

 さらに、体を持っている人間には、オンラインでは、キリスト教倫理の根本「人を愛する」ことが実践できません。まずその愛は、一つの会衆として同じ神の前に立つ兄弟姉妹に向けられるべきです。ネットを用いてどれだけできるでしょうか。そしてそれは、信仰の根本である「神を愛する」ことを骨抜きにします。

 オンライン礼拝が無意味とは決して思いません。補助手段として使えます。しかし代用にはなりません。今会員が自分の体を運んで神の前に一つに集まることの意味を深く考えるべきです。

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