月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年2月 1日(月)

サムエル下19章 より確かな平和を目指して

  

だがダビデは言った。「ツェルヤの息子たちよ、ほうっておいてくれ。お前たちは今日わたしに敵対するつもりか。今日、イスラエル人が死刑にされてよいものだろうか。今日わたしがイスラエルの王であることを、わたし自身が知らないと思うのか。」(サムエル下19:23)

 ダビデの息子アブサロムの死という大きな犠牲がありましたが、クーデターの危機は収束しました。アブサロム側に付いたイスラエルはダビデを王として連れ戻すことを決めます。ダビデがエルサレムから逃げていく時にはサウル家の恨みを口にしてダビデを呪ったゲラの子シムイも、だれより早くダビデを迎えようとして、ヨルダン川までやって来ました。

 勝者であったダビデは、彼に復讐することもできました。実際、ダビデに仕える将軍の一人であったツェルヤの息子アビシャイは、「シムイが死なずに済むでしょうか」といきり立ちます。

 危機が起こった時に明らかになったのは、王位を失ったサウル家の人びとの不満でした。しかし、彼らもイスラエルの一員なのです。危機の収束に際してダビデが目指したのは、正当な報復ではなく、危機の前よりも確かな平和でした。シムイを赦すことで、ダビデに対するサウル家の人びとの信頼は深まったことでしょう。

 主は危機を与え、そして危機を収束してくださいます。私たちはその機会をどう用いるべきでしょうか。

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