月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年10月20日(水)

詩編121編 目を上げる

  

目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。
わたしの助けはどこから来るのか。
わたしの助けは来る
天地を造られた主のもとから。(詩編121:1-2)

 この詩編は讃美歌(1954年版)301番のもとになった詩編としてよく知られています。完成されるであろう天の国を憧れつつ歩む信仰者を支えてきました。

 詩人の目の前には高い山が聳え立っています。そのように天国を目指して進む神を信じる者にとって眼前の険しい山が行く手を阻んでいます。誰もが前にある険しい山々を見て失望落胆し、望みを失ってしまうでしょう。どうすれば山道を這い上がって行けるのだろうか。

 しかし、山の向こうに何があるか分からない、ただ希望をもっていけば何とかなるという類の思いを詩人が吐露しているのではありません。私たちにとって、ほんの数刻先さえ何が起きるか分からないものです。それが不安を醸し出します。

 そのとき、神を信じる者が覚えなければならないこと、それは神の見守りです。一瞬、孤独を味わい、何もできない失望感に支配されても、神は隠れたところで、しかし、間近で、「まどろむことなく」いつも見守っていてくださいます。その思いこそ、高き山を一歩一歩登って行かせるように神の民を促すのです。

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