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歴代上22章
「神殿を準備する王ダビデ」


ダビデは、「わが子ソロモンは、主のために壮大な神殿を築き、その名声と光輝を万国に行き渡らせるためにはまだ若くて弱い。わたしが準備しなければならない」と言って、死ぬ前に多くの準備をした。
(歴代上 22章5節)

 神殿建設の志を抱きながらも、その仕事を果たすのは「あなたではない」(17章4節)と神から告げられたダビデは、しかし、「あなたの子孫」が「わたしのために家」を建てるという約束を神から聞くことになります。生涯をかけた志が阻まれる、その瞬間に、自分の思いを越えた神の慈しみの広がりを知らされたのでした。ダビデは、神の御前に身をただし、祝福の厳しさも深さも、その一切を「恵みの御言葉」(同26節)として受け止めます。

 そこから、歴代誌が記すのは、神殿を築く準備に全力を尽くすダビデの姿です。資材と職人とを集め、同時に祭司、レビ人を組織し、主を賛美する集団を整えます。自らの財産も寄贈し、イスラエル諸部族に献げ物を呼びかけました。

 自分が神殿を見ることはないことを承知していながら、ダビデは準備の一つひとつに、神の祝福の痕跡をなぞるように喜びを見つけていきます(29章17節)。挫折から始まった大事業の準備には不安が伴ったはずです。しかし、「おじけてはならない」(22章13節)と「安らぎの人」たるソロモンに言葉を贈るダビデは、神の慈しみの大きさの中に安らいでいるように見えます。

柏木 貴志(岡山教会)

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