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民数記10-12章
「主の力を信じて」


「あなたの恵みを得ているのであれば、どうかわたしを苦しみに遭わせないでください。」
(民数記 11章15節)

 神のご命令に従って荒れ野を旅していたはずの民が、一転して激しく不満を言い始めます。

 神は天からマナを降らせて人びとを養っておられました。マナはクリームのような味で、栄養価が高く、毎朝拾い集めることができました。しかし民は、肉が食べたい、エジプトでは魚はタダだったし、野菜もあった、あれが忘れられない、と泣き言を言います。彼らは奴隷として苦しめられた過去などなかったかのように不平を言ったのです。神は民の叫びを聞き、憐れみ、力ある御業をもってエジプトから救い出してくださいました。その恩を忘れることは大変な罪です。それに対する神の憤りは激しいものでした。

 民の罪と神の怒りを知って、モーセは大変苦しみました。神に対して、わたし一人でこの民を負うことは重すぎます、むしろ殺してください、と訴えました。これはモーセもまた神の恵みを信じられなくなっているということです。

 しかし、この信仰の危機というべき状況の中でも、モーセは神に嘆きをぶつけ、憐れみを乞いました。その祈りに対して神はモーセをとがめることなく、重荷を軽くしてくださいました。このモーセの姿に見るべき信仰者の姿があります。

 

 【祈り】

 不信仰に陥るときでも、あなたの御前に出て、心を注ぎだして祈ることができますように。

常石 召一(大阪教会)

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