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ヨエル1-2章
「主の強い愛と憐れみによる災いの転換」


そのとき
主は御自分の国を強く愛し
その民を深く憐れまれた。
(ヨエル 2章18節)

 預言者ヨエルと言えば、聖霊降臨の日に、使徒たちがエルサレムで立ち上がって、説教を語り始めたとき、ペトロが最初に引用した預言を告げた人として知られます(使徒2章)。それは、老若男女を問わず、主の霊が降ることを預言するものです。しかしながら、主の言葉がヨエルに臨んだ頃、主の霊が降ることは、ごく限られた真の預言者たちのみでした。

 ヨエル書には時代を示す用語がないため、背景の理解が分かれます。伝統的には、ヨエルは最初期の預言者の一人であると言われます。そう考えるなら、ヨエルは若い頃、干ばつの終わりを告げたエリヤ(列王上18章41節)や、主の飢饉を告げたエリシャ(列王下8章1節)を知っていたかもしれません。とすれば、いなごの災いによる飢饉の預言は、ヨエル自身が幾度となく伝え聞いた災いにまさる大災害とも理解されます。また、バビロン捕囚後の預言者と見れば、いなごの災いは、何らかの外敵の侵入という強大な脅威と解されます。

 いずれの理解でも、この大災害からの回復を告げる契機は、ただ、主のねたむほどの「強い愛」と「深い憐れみ」です。ここからヨエル書は災いからの回復に転換し、主の成し遂げられる豊かな祝福を告げます。

 

 【祈り】

 主よ、あなたの強い愛と憐れみによって、すべての人をあらゆる災いから救い出してください。アーメン

宮武 輝彦(男山教会)

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