あさのことば 2004年12月17日(金)放送     あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

櫻井良一(東川口教会牧師)

櫻井良一(東川口教会牧師)

メッセージ: 「書き換えられた伝記」


 ごきげんいかがですか。東川口教会の櫻井です。

 先日、テレビで黄熱病の研究に命をささげた野口英世博士の話が紹介されていました。彼は自分について書かれた伝記を読んだとき「これはうそだ」と語ったというのです。なぜなら、その文章には彼の素晴らしさを伝える美談ばかりが書かれていて、それ以外のことが省かれていたからです。彼は「人生には浮き沈みがあるのが当たり前ではないか」と言って、その伝記の不自然さを指摘したのです。

 新約聖書のヘブライ人への手紙は旧約聖書に登場するアブラハムやサラと言った人物を信仰の模範者として紹介しています。興味深いのは旧約聖書では彼らの人生にも失敗のような様々な「人生の浮き沈み」あったことが記されているのに、このヘブライ人への手紙ではその一切が取り除かれていることです。どうしてこの手紙は彼らの生涯をそのように書き換えてしまったのでしょうか。その理由はこの手紙が彼らの生涯を救い主イエス・キリストを通して見ようとしているからです。なぜならば、イエス様は人間の犯す失敗や罪のすべてを十字架の贖いによって取り除いてくださるからです。つまりヘブライ人への手紙の著者がアブラハムたちの生涯を書き換えたことにはこのイエス様の救いの事実が関わっているのです。そしてアブラハムと同じように私たちもイエス様を信じるならば、神様に人生を再評価していただけるのです。

聖書の言葉

「昔の人たちは、この信仰のゆえに神に認められました。」ヘブライ人への手紙11章2節

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