キリストへの時間 2021年2月14日(日)放送

山下朋彦(平和の君教会牧師)

山下朋彦(平和の君教会牧師)

メッセージ: 愛の負債



 おはようございます。広島にあります、平和の君教会の山下です。
 今日が何の日か、知らない方はおられないでしょう。そう、バレンタインデーですね。私の家に娘がいますので、この日が近づくとてんやわんやのありさまとなります。板チョコや生クリーム、ビスケット、さらにラッピング用品の買い出し。もちろんスポンサーは、わたし。そして娘の友達が数人集まってきて、教会の台所でワイワイガヤガヤ、楽しそうに作ります。極めつけは、これお父さん余ったので、と1個だけプレゼントに預かります。

 今日のみ言葉(ローマ13:8「互いに愛し合うことのほかは、だれに対しても借りがあってはなりません。人を愛する者は、律法を全うしているのです。」)は、キリストの弟子パウロが「隣人愛」について勧めを書き送っているところです。この直前に、彼は為政者に従うことを記しています。具体的には彼らのために祝福を祈ること、税金を納めることなどです。その為政者とは、ここローマの都にいる皇帝や政治の中枢を担う元老院を指します。彼らはしばしば教会を迫害する側に立ちました。いわば教会からすると敵に当たる存在だったのです。しかも教会はまだ小さな弱い群れでしかありませんでした。何故パウロがそれを命じるのか、彼らの背後に主なる神様の権威を畏れ、神のみ心があることを認めていたからです。それがローマ市民としての当然の務めであり、責任だったのです。返すべき負債です。

 しかし愛だけは別だと、ここでパウロは語ります。その理由は、愛は永遠に返すことのできない負債だからです。私たちはよく、この私が相手に施した好意や親切と自分が受けたそれとを比較して、損をしたとか借りがある、と心の中で帳簿を付けがちです。けれどもパウロはそれをするな、いやできない、それは神様ご自身のみ心であって、互いに愛し合うことによって平和が保たれるからなのです。この命令は、教会内だけのことではなく、家庭において、近所の方々との結びつきにおいても同様なのです。

 このところ「○○ファースト」という言葉がよく聞かれます。とても聞こえは良いのですが、それは、他は大事にしませんよ、という切り捨てでもあります。そこに対立や争いが生じてくるのではないでしょうか。自分の方が損をしている、自分の国は損害を被っている、そうしたエゴから戦争へと至る例の枚挙は歴史にいとまがありません。

 わたしはバレンタインデーが自分が好意を持つ人に対してだけでなく、本当にそれを必要としている困窮の中にある方々にも向けられ、届けられ、豊かに支えられていくことを心から願っています。それは、何よりもこの私自身に愛の欠けがあることを率直に認め、必要としていることを覚えたいのです。愛は分かち合うほどに豊かにあふれ出るからなのです。



※ホームページでは音楽著作権の関係上、一部をカットして放送しています。
Copyright (C) 2021 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.