キリストへの時間 2021年7月18日(日)放送

小澤寿輔(高知教会牧師)

小澤寿輔(高知教会牧師)

メッセージ: 神は私たちの心の拠り所

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。高知市上町4丁目にあります、日本キリスト改革派高知教会の小澤寿輔です。
 「人生、山あり谷あり」とよく言われます。確かに私たちの人生は、いつも楽しいことばかり、というわけではありません。時として、病気になったり、不慮の事故に見舞われたり、大切なものを失ったり、人に誤解されたり、大きな失敗をしてしまったり、苦しいこと、辛いこと、悲しいことが色々あります。ときには、大地震や洪水といった天災に見舞われることもあります。絶体絶命の危機にさらされて、絶望することもあるかもしれません。

 そういうとき皆さんは、どのような「心の拠り所」を持っているでしょうか。自分の部屋に閉じこもり、ゲームに打ち込む、音楽を聴くなど、好きなことで気分を紛らわせ、困難と向き合うことを避けようとするでしょうか。あるいは、外に出かけてパーっと遊んで、それによって自分の失敗や行き詰まりや、目の前の問題を忘れようとするでしょうか。それとも家出をして、困難から逃げようとするでしょうか。世の中には、意外とそのような人が多いと聞きます。しかしそれらは、どれも正しい「心の拠り所」ではありません。それらは「その場しのぎ」になっても、決して「本当の解決」とはなりません。

 では苦しみのとき、どうしたらよいのでしょうか。どうぞ今日の御言葉、詩編46編を思い出してください。2節に「神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦」とあります。これは「天と地を創造された唯一まことの神、愛と恵みに満ちておられる神は、ご自身のもとに逃げ込んで来る人を決して見捨てることはない」という告白です。

 3節4節「苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる。わたしたちは決して恐れない、地が姿を変え、山々が揺らいで海の中に移るとも、海の水が騒ぎ、沸き返り、その高ぶるさまに山々が震えるとも。」これは「たとえ天変地異が起ころうとも、私は決して動じない」という告白です。「たとえ大自然の秩序が壊れてしまうようなことが起こっても、その背後ですべてを統治しておられる秩序の神、創造主なる神に信頼する者は、決して動揺することはない」という大胆な告白です。

 このような聖書の言葉によって支えられたという人は、世の中に多くいます。中でも、今朝の詩編46編の御言葉に見られる、神への揺るがない信仰によって支えられ、励まされたと言う人がいます。宗教改革者として知られる、マルティン・ルターがその一人です。

 「宗教改革」というのは、今から504年前の1517年10月31日に、ドイツのマルティン・ルターが、聖書の教えから離れてしまった当時の教会を、聖書に忠実な教会に立ち返らせようとして抗議文を教会の扉に打ち付けたことから始まったと言われています。それがきっかけで、マルティン・ルターはドイツの皇帝とローマ法王から弾圧を受け、教会という自分の拠り所を追い出され、宗教裁判にかけられ、人生で最大と言えるような危機にさらされてしまいました。ときには命の危険を感じることもあったかもしれません。

 そのような困難な日々の中でルターは、詩編46編をもとにして自ら賛美歌を作詞作曲しました。それが讃美歌267番「神はわがやぐら」です。苦しい戦いを強いられるとき、仲間のメランヒトンに「さあ、詩編46編を歌おうじゃないか」と言って、この歌を一緒に歌って互いに励まし合ったそうです。

 宗教裁判に呼び出されたときにも、ルターはこの賛美歌を大声で歌い、毅然とした態度でその不利な裁判に向かったそうです。そして、マルティン・ルターに始まった宗教改革運動のお陰で、後にプロテスタント教会が生まれることになりました。マルティン・ルターに、揺るがない信仰と何ものにも屈しない勇気と力を与えたのは、詩編46編の御言葉でした。

 詩編46編は、皆さんにも同じ勇気と力を与えてくれると信じます。心が折れそうになったとき、ぜひ読んでみてください。



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