あさのことば 2024年5月27日(月)放送

三川共基

三川共基(松戸小金原教会牧師)

メッセージ: 涙ながらの祈り



 おはようございます。松戸小金原教会の三川共基です。
 
 かつて、「ハンナ」という女性がすばらしい祈りをささげました(サムエル上2:1-10参照)。それは、心からの喜びや感謝を、目いっぱいの言葉にしたものです。まるで踊っているかのような、喜びいっぱいの祈りになっています。

 しかし実は、この祈りの前には、悲しく苦しい物語がありました(サムエル上1:1-20参照)。この祈りは、順風満帆な人生を謳歌した人の口から自然と湧きあがってきた言葉、ではありません。むしろ、心折れるような苦しみと悲しみを乗り越えた先に、心の奥から出てきた言葉でした。

 ハンナは、エルカナという男性と結婚していましたが、二人の間にはなかなか子どもを授かりませんでした。当時のイスラエルにおいて、子どもを授かることができないことは、その夫婦や家系の誰かが、大きな罪を犯したことが原因とされていました。ですから、周囲の目は冷ややかです。どれほど願っても、子どもを授かることができない。それは、二重三重の苦しみでした。実際にハンナは、食事が喉を通らず、夫の優しい言葉も心に響かず、神殿で泣き叫ぶことしかできないほど、心が枯れていました。

 ハンナは、神殿で泣き叫んで神に祈りました。涙ながらの祈りは、いつしか言葉にすらなっていませんでした。神殿の祭司が、酔っ払いと勘違いするほど、ハンナは悲しみに暮れていました。不憫な境遇、無力さ、苦しさ、悩ましさ、すべてが彼女を落ち込ませています。しかし、誰にも理解されず、慰められないその心を、ハンナはすべて神に注ぎだしました。そして顧みられたのです。聖書の神は、一人ひとりの祈りに、必ず応えてくださいます。

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