キリストへの時間 2024年1月28日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

石川亮(芸陽教会牧師)

石川亮(芸陽教会牧師)

メッセージ: 天を仰いで

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。高知県安芸市本町2丁目、森澤病院裏手にある芸陽教会牧師、石川亮です。
 1月も最後の週になりましたので、私の担当は今週が最後になります。ラジオを聞くあなたと共に、聖書の言葉の恵みから喜びと平安に満たされて、新しい月へと向かいたいと願います。

 今週は去年、私が体験したことを話したいと思います。昨年1月、私は妻と共に、日本キリスト改革派但馬みくに教会の牧師先生ご夫妻にお会いするために、兵庫県養父市を訪れました。この地域は山があり川があり、とても自然豊かなところです。山間にある養父市を訪れた私は、今までにない体験をしました。それは、夜空に煌々と輝く無数の星を見たことです。横浜で育った私には見たことのない、息をのむほどの光景でした。

 夜空一面に、数えることができないほどの煌々と輝く星を見た私は、旧約聖書の創世記でアブラハムが見た星空は、このようなものだったのではないかと思いました。創世記15章5節、6節には、「主は彼を外に連れ出して言われた。『天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみるがよい。』そして言われた。『あなたの子孫はこのようになる。』アブラムは主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。」とあります。

 これは、主である神の言葉が、幻の中でアブラム、すなわちアブラハムに臨んだ場面です。幻の中で彼は、神から「あなたの受ける報いは非常に大きいだろう。」(創世記15:1参照)と言われます。確かにアブラハムは、たくさんの財産をもっていましたが、しかし、子どもはいませんでした。それゆえ、その報いを受けるのは、ダマスコのエリエゼルでした。

 神の言葉に対し、アブラハムは、「主よ、あなたはベテルとアイの間に着いた時、大地の砂粒が数えきれないように、数えきれない子孫を与えてくださると言ったではないですか。ですが、結局、あなたは、わたしに子供を与えてくださらなかった。」(創世記14:16、15:3参照)と言います。その言葉に対して神は、「あなたを継ぐのはあなたから生まれるものである」(創世記15:4参照)と言われます。

 15章5節、6節の言葉は、そのような流れにあります。アブラハムは、主である神から報いが与えられるという言葉にどこか疑いをもって聞いていたのかもしれません。星空を見せる以前、神は、大地の砂粒で子孫の繁栄を示しました。しかし、今度は、夜空に輝く星をアブラハムに見せました。おそらく、光り輝く満天の星空を見た彼は、以前よりもはっきりと神の御心を理解したはずです。主である神が星空をアブラハムに見せた理由は、見える言葉として、彼に対してご自身が与えられた約束を、アブラハムに分かりやすいように示されたからです。アブラハムは、それを素直に受け入れて神を信じ、また、主である神は、彼の信仰を義としてくださったのです。

 私たちは、神の御心を深く知ることができません。それゆえ、私たちもまた、アブラハムと同様に、信じつつも、迷ったり、不安になったり、疑ったりしてしまいます。しかし、聖書の神は、私たちに聖書の御言葉や祈りなどを通して、御心を示してくださいます。鈍い私たちが分かりやすいように、不思議な方法で示されることさえもあります。聖書の神が、鈍い私たちに分かりやすいように、ご自身の御心を示してくださることに、私は、聖書の神の大きく深い愛を感じるのです。

 安芸市もまた、星空がとても綺麗に見えます。夜空に輝く無数の星を見る時、この安芸市に、高知県に、そして日本全国に、アブラハムの子孫、主である神の民が大勢いると私は確信します。ラジオを聞くあなたも、夜空を見上げ、星を見る時があるでしょう。その時、聖書の神がアブラハムに示した愛を、思い起こしていただきたいと願います。新しい月も、私たちに大きな愛を注いでくださる聖書の神を見上げて、歩んでまいりましょう。



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