Rejoice 連携 カルヴィニズムる人たち #18 2020年6月1日放送

古口契児(岡山教会会員)

古口契児(岡山教会会員)




勤務先の前原病院  敬愛する柏木哲夫先生と

 左/勤務先の前原病院 3階に14床の緩和ケア病棟と屋上庭園があります
 右/敬愛する柏木哲夫先生(前列左)と


Q どのようなお仕事をしておられるのですか

A 消化器外科医として17年半働いた後に、2000年10月より緩和ケア医として働いています。現在は、福山市にある前原病院ハートベルホスピスに勤務しています。14床の緩和ケア病棟と緩和ケア外来に於いて、本人とご家族のQOL(生活の質)を第一とした緩和ケアを提供し、苦痛なく本人らしく生き抜いていただくためのお手伝いをしています。また、ACP(アドバンス・ケア・プランニング、人生会議)の啓蒙を通して、もしもの時に備えてあらかじめ話し合いをしながら最善を尽くしていくことのサポートもしています。


Q お仕事を始めるきっかけは何でしたか

A 医学生時代に、日本の緩和ケアのパイオニアである柏木哲夫先生の「死にゆく人々のケア」(医学書院)を読み、将来は緩和ケアに関わりたいと思ったのがきっかけです。「CURE(治癒)できなくてもCARE(ケア)はできる」という言葉は、現在の緩和ケア医の原点となっています。その後消化器外科医として多くのがん患者さんとご家族に接していく中で、緩和ケアの重要性を強く感じていきました。そして緩和ケア医となる直接のきっかけは、94年に父を外科医として看取ったことです。その後、外科医と並行して緩和ケアを提供することの限界を感じ、緩和ケア医としての歩みを始めました。


Q どのような聖書の御言葉に励まされていますか

A 詩篇37編5節「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる」(新改訳)の御言葉を原点としてきました。また、人生の様々な場面ではローマの信徒への手紙8章28節の御言葉に励まされてきました。緩和ケア医としては「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」(ローマ12章15節)ことを心がけています。また、青年会時代に学んだ『カルヴィ二ズムの五特質』(E・H・パーマ著、鈴木英昭訳、つのぶえ社)が自分の改革派信仰の土台になっていると思っています。最近カルヴァン関係の本が多く出版されており、綱要も含めて読み返してみたいと思っています。


Q 信仰者として心がけておられることがありますか

A 立場上宗教的中立を求められる場面も多いので、クリスチャンとしての配慮を心がけています。周囲には、自戒も込めて「不真面目なクリスチャン」と公言していますので、地の塩・世の光としての役割を真面目に果たしていきたいと思っています。そして、「有神的人生観・世界観」(創立宣言)を実践し、「一つ善き生活」を具現化する者として用いられたいと願っています。


Q お仕事をとおしてどんなことを目指しておられますか

A がんだけでなく非がんの方々も含めて、残された時間を死と向き合いながら苦痛なく本人らしく穏やかに有意義に生き抜いていただくお手伝いをしたいと願っています。また、全人的苦痛(身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛)に対する全人的ケアである緩和ケアをチーム医療として提供したいと思っています。私たちはすでに死に打ち勝っている信仰を与えられているので、クリスチャンの役割は大きいと感じています。三人に一人はがんで亡くなる時代に、外科医マインドと在宅医マインドを持ったクリスチャン緩和ケア医として用いられたいと願っています。


日本ホスピス緩和ケア協会はこちら
広島版ACP(広島県地域保健対策協議会)はこちら
慈生会 前原病院ハートベルホスピスはこちら

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