月刊誌リジョイス 聖書日課 2019年10月 8日(火)

エゼキエル9章 その印には、神の慈しみの色が滲む

  

主は彼に言われた。「都の中、エルサレムの中を巡り、その中で行われているあらゆる忌まわしいことのゆえに、嘆き悲しんでいる者の額に印を付けよ。」(エゼキエル9:4)

 罪に汚染された神殿をたどるエゼキエルの耳に大きな声が聞こえてきます。「この都を罰する者たちよ、おのおの破壊する道具を手にして近寄れ」(1節)。神の怒りが徹底した「破壊」となってあらわされる、その幻の中にエゼキエルは置かれます。

 戦慄の破壊命令が次々に聞こえてきます。逃げ場はありません。隠れる場所もありません。「6人の男」の手によって人びとは容赦なく打たれていきます。その「破壊」のさなか、同時並行で行なわれていた作業がありました。「嘆き悲しんでいる者の額に印を付けよ」(4節)、「あの印のある者に近づいてはならない」(6節)。神殿を覆う大きな罪にのみ込まれながら、ただ慟哭をもってしか抗うことができなかった者たちを、神は愛しまれました。彼らが罪の中を生き抜くことを望まれました。その額に付けられた印に守られ、破壊が彼らを通り過ぎていきます。

 神の怒りは広く、裁きの御手が緩められることはない。しかし、神の慈しみは深く、どこまでも深く、赦しの御手は罪を嘆く者に伸びていく。その幻をエゼキエルは同時に見させられたのでした。

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