月刊誌リジョイス 聖書日課 2020年10月13日(火)

雅歌8章 愛の広がりと強さ

  

大水も愛を消すことはできない
洪水もそれを押し流すことはできない。
愛を支配しようと
財宝などを差し出す人があれば
その人は必ずさげすまれる。(雅歌8:7)

 『雅歌』の最後の1章は、不思議な章です。男性と女性それぞれに関係する、母親や兄弟たちに何度も言及されるからです。

 女性は、夫との密室だけの愛ではなく、どんな場所でも愛情表現ができる兄妹のような関係を願います(1節)。そして、実の兄たちが、幼い頃の自分を箱入り娘のように守ってくれていたことを、懐かしくも思い起こすのです(8、9節)。

 他方で、女性は夫を、自分の母の家(2節)や、夫の母が夫を出産した部屋へと誘います(5節後半)。

 つまり、女性にとって夫との性の営みは、もはや二人だけの刹那的なものではなく、大きな生命の連鎖に連なるものへと変わりつつあるということです。そうして、彼女の生きた証が相手にしっかりと刻みつけられることを願うのです(6節)。

 その中心は、愛です。愛は決して強いるものではありませんが(4節)、死のように強く(6節)、どんな力にも屈することなく、決してお金で買うことのできない尊いものです(7節)。

 まさに、神の御性質そのものではありませんか!

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