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詩編57編
「嘆きと感謝と賛美の歌」


わたしは心を確かにします。
神よ、わたしは心を確かにして
あなたに賛美の歌をうたいます。
(詩編 57編8節)

 この詩編は、「神よ、天の上に高くいまし、栄光を全地に輝かせてください」(6、12節)というフレーズで締めくくられる二つの対照的な部分で構成されています。前半は苦しみの渦中にある詩編作者の嘆きですが、後半は救いを与えてくださる主なる神への感謝に変わります。この変化の理由が7節です。「彼らはわたしの足もとに網を仕掛け、わたしの前に落とし穴を掘りましたが、その中に落ち込んだのは彼ら自身でした」。つまり、詩編作者を攻撃していた人びとの陰謀が、逆に彼ら自身を滅ぼす結果となってしまったのです。

 ここで思い巡らしたいことは、表題の「ダビデがサウルを逃れて洞窟にいたとき」の場面です(サム上24章)。このとき、洞窟にいたダビデは自分を殺そうと追ってきたサウル王に気づき、逆に彼を殺すことができたのですが、あえてそうしませんでした。結局、ダビデを殺そうと謀ったサウル王はペリシテとの戦いに敗れて死に、ダビデが王となります。

 この詩編は、信仰者の嘆きがやがて感謝に変わることを教えてくれます。私たちが主に嘆き訴えるとき、決してそれは無力な独り言にはなりません。なぜなら、主はご自身の民の嘆きを聞き上げ、正しく裁いてくださるお方だからです。

 

 【祈り】

 主よ、災いの時こそあなたに信頼し、すべてをあなたに委ねて歩む者とならせてください。アーメン。

唐見 敏徳(忠海教会)

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