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民数記34-36章
「逃れの町を用意してくださる神」


自分たちのために幾つかの町を選んで逃れの町とし、過って人を殺した者が逃げ込むことができるようにしなさい。
(民数記 35章11節)

 いよいよ約束の地カナンに入るにあたって、神はいくつかの定めを命じられました。その一つが、「逃れの町」を用意することです。それは、過って人を死なせてしまった人が、復讐しようとする者たちから逃れて、身の安全を確保するための町です。

 人の命を奪うというのは重大なことです。神が与えた命を奪うことであり、また流された血は「地を汚す」からです。人類最初の「死」は、創世記に記されているように、妬みに駆られたカインが弟のアベルを殺したことによって起こりました。そのことによってアベルの血が流された大地は呪われ、カイン自身は大地よりも呪われるものとなりました。

 共同体の秩序のために殺人者への裁きは厳正になされる必要があります。にもかかわらず「逃れの町」を用意するようにとの神の指示は、福音の響きを帯びています。

 キリストはまさに私たちにとっての「逃れの町」です。私たちは、自分ではそれほど重大な罪を犯してはいないと思うかもしれません。しかし、主イエスは人を憎むことも殺人と同じであるとおっしゃいました。そして主イエスのもとに一目散に逃げ込むならば、私たちは神の裁きを免れることができます。神がそう定めてくださったのです。

 

 【祈り】

 重大な罪を犯してしまう私たちですが、あなたが私たちの逃れの町でいてくださることを感謝します。

常石 召一(大阪教会)

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