祈りの格闘に答えてくださる主なる神 | 創世記 32章

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創世記 32章

ヤコブは答えた。「いいえ、祝福してくださるまでは離しません。」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 32章27節

祈りの格闘に答えてくださる主なる神

長子の特権を奪ったことをきっかけに、ヤコブは兄エサウとの関係を拗らせていました。その兄との再会を前に、彼の心は不安で満ちていました。どうすれば相手に赦してもらえるか。彼は、主なる神に自分の心を打ち明けます。「どうか、兄エサウの手から救ってください。わたしは兄が恐ろしいのです」(12節)。

ヤコブは、和解のために、兄の怒りを宥める備えを入念に行います。ヤコブは自分の財産のうちから、贈り物を選び、家族一行の先頭に行かせました「自分は本当に赦されるのだろうか」。その疑問は拭えないまま、ヤコブは独り佇みます。

拭えない不安の中で、ヤコブは何者かに襲われます。夜明け前にヤコブは腿の関節を外されます。自分では立てなくされながら、ヤコブは「祝福してくださるまでは離しません」と祝福を求めます。格闘の最中に腿の関節を外された彼は、後の生涯、足を引きずって歩む者とされました。それは自分の力ではなく、神に依り頼む者とされたことを意味します。

試みの中にある私たちに、主なる神は主に依り頼むことを教えられます。私たちの夜明け前にも祈りの格闘があるでしょう。立てないとき、それは神に依り頼むことで立ち上がる祝福のときです。

【祈り】

主よ、試みを前に、不安や恐れに揺さぶられる私たちに、あなたに信頼する平安をお与えください。

長谷部 真(堺みくに教会)